高齢者の睡眠について(2018年4月1日)
今日は、高齢者の睡眠についてお話いたします。
高齢者の睡眠について2つの特徴
1つ目は「早起き」です。高齢ということは、老化が徐々に進んでいるということで、生理機能が落ちているということです。若い人と違ってそれほどの長い時間眠る必要が無いということで、早起きに繋がりやすい傾向があります。2つ目は「眠りが浅い」ことです。だからウトウト寝てるような状態になることが多い。
この2つが、歳を取ると起こってる、っていうことになります。
睡眠障害について
日本人で睡眠障害をもっている方は、だいたい5人に1人ぐらいです。ところが高齢者になってきますと、60歳以上になると3人に1人と言われています。やはり歳を取ってくると「眠れない」ことを訴える方が多くなります。ちなみに睡眠障害というのは、種類は3つぐらいありまして、
1つ目は「入眠障がい」。寝つけない。布団に入ってから30分から1時間以上寝れなくて、悶々としている。それが入眠障がいです。
2つ目は「中途覚醒」。寝たんだけども途中で何度も目が覚めてしまう、起きてしまう、という症状です。
3つ目は「早朝覚醒」。早目に起きてしまう。4時とか3時ごろに目が覚めてしまう。そこから寝れない、という症状です。
これらの睡眠障がいは、単体で起きたり、複数同時に発生したりします。
「睡眠の改善法」指針:厚生労働省
1つは「睡眠の長さにこだわらない」ということ。よくテレビの健康番組等で、「認知症を予防するには何時間寝る必要がある」、とか、「健康のためには8時間程度よく寝る必要がある」と、そういうことがよく言われていると思いますが、次の日に起きた時に、“昼間眠たくないぐらいに寝てたら全然問題は無い”ということです。人に合わせるのではなく、“自分自身の睡眠時間で構わない”ということです。2つ目は「眠たくないのに横にならない」ということ。眠たくなってから、寝床に入るようにするとすっと眠れる、ということですね。
3つ目は、眠る時間ではなくて、「起きる時間を一定にする」こと。というのは、例えば6時に毎日起きてたら、たとえ、夜12時に寝ようが1時に寝ようが、6時に起きるんだそうです。そうすると、早く起きると、夜は必ず眠たくなります。眠る時間ではなくて、起きる時間を一定にすると眠りやすくなるそうです。
4つ目は、眠りが浅いなって自覚する時は、「遅寝・早起きをする」こと。それを続けると、いずれちゃんと元に戻るという事なので、できるだけ遅寝、眠たくなってから寝て、朝は早く起きるというのが重要だそうです。
5つ目として、「朝起きたら必ず太陽を浴びる」こと。外の光を浴びて、できたら日中もしっかり浴びて、昼から夕方ぐらいに運動してもらうと、心地よい疲れで眠れます。
注意するポイント
気を付けないといけないのは、寝酒です。寝酒で良く寝れているというお年寄りがいるかもしれませんが、寝酒は絶対にだめです。寝酒は良い眠りとなりません。もしお酒を飲むなら、睡眠時間の、寝る時間の大体3時間前までには飲み終わってるようにしてください。また、コーヒーや紅茶などに刺激物のカフェインが含まれているものは、寝酒よりももっと長くて4時間あけてください。タバコも同様に、4時間前には吸い終わるようにしてください。あとは、「昼寝は15時前」ぐらいまでにしてください。寝る時間も20分~30分以内にしてください。それ以上長く寝ると睡眠に影響してくると言われています。
病気の可能性も
例えば、寝てる時に大きないびきをかいて、無呼吸、呼吸が止まってしまう、そういうのがある人、あるいは、足がぴくぴくぴくぴく動く人、あとは、むずむず感がすごくある人、こういうのは病気の可能性があります。それと、夜しっかり寝ているにも関わらず、昼間眠くて眠くて仕方がない、これも病気の可能性があります。もしそういうことを話の途中でお聞きになったら、すぐに専門医に相談したらいいよ、と薦めていただけたらと思います。
神窪ケアマネージャーによる、季節にまつわる「よもやま話」
2018年4月1日号